改訂新版 世界大百科事典 「ナショナリスタ党」の意味・わかりやすい解説
ナショナリスタ党 (ナショナリスタとう)
Nationalist Party
フィリピンの代表的政党(1930年代まではPartido Nacionalista)。アメリカの統治下で1907年にフィリピン議会開設が許可されたのを機に,同年3月,即時独立を主張する民族主義者らによって結成され,7月の総選挙で圧倒的勝利を得た。以後46年1月リベラル党が結成されるまで,一党独裁に近いかたちでフィリピン政治を牛耳り,結党の趣旨に反して対米協調的政策をとった。この間,オスメーニャ,ケソンの二大巨頭の指導権争いから,1922年と34年の2度にわたって大規模な分党騒ぎがあったが,いずれも暫時にして再統合された。しかし1922年以降,党の指導権はオスメーニャからケソンの手に移り,またこれ以後35年までは合同ナショナリスタ党Partido Nacionalista Consolidadというのが党の正式名称であった。45年12月にロハスらが離党して翌年リベラル党を設立し,第2次大戦後のフィリピン政治は両党の政権交替劇で展開されたが,72年の戒厳令で政党活動が禁じられたため,事実上の解党となった。
執筆者:池端 雪浦
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報