リポン(英語表記)Ripon

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リポン」の意味・わかりやすい解説

リポン
Ripon

イギリスイングランド北部,ノースヨークシャー県中部,ハロゲート地区の都市。ヨーク北西約 35km,ペナイン山脈東麓,ウェンズリーデールと呼ばれるユア川河谷の入口に位置する。7世紀に修道院が建設されたことで知られる町であるが,修道院の起源は明らかではない。一説には,651年頃メルローズ修道院長の聖エータが建設したとされるが,聖エータはローマ式典礼を拒みケルト式典礼を守ったため,サクソン王によって退けられ,修道院もウィルフリードに与えられたといわれる。またこれとは別に,ウィルフリード自身が建設したという説もある。ウィルフリードはまもなくヨーク司教になり,672年この町に聖堂を建設。その後町は宗教中心地として発展。この修道院と聖堂は 9世紀にデーン人によって破壊されたが,聖堂の納骨堂は今日の大聖堂の地下に保存されている。今日の大聖堂はノルマン様式末期から後期イギリス・ゴシック様式の美しい建築物で,年代の異なる家々,商店,旅館に囲まれた大きな市場広場とともに,多くの観光客を集めている。人口 1万5922(2001)。

リポン(侯)
リポン[こう]
Ripon, George Frederick Samuel Robinson, 1st Marquess of

[生]1827.10.24. ロンドン
[没]1909.7.9. リポン
イギリスの政治家。 1852年国会議員となり,陸軍次官,陸相,インド担当相 (在任 1863~66) を歴任後,インド総督 (在任 80~84) となる。在任中,自由主義的な政策をとり,「土着語出版法」の廃止,マイソール藩王国の内政権の返還,地方自治制度の拡大をした。しかしイルバート法案成立に失敗し,民族運動を刺激した。帰国後,海相,植民地相,国璽尚書を歴任。

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