リムノカリス(その他表記)Limnocharis flava (L.) Buchen.

改訂新版 世界大百科事典 「リムノカリス」の意味・わかりやすい解説

リムノカリス
Limnocharis flava (L.) Buchen.

熱帯の浅い池や沼にはえるハナイ科の多年草。株の根もとから走出茎を出す。葉は根生し,葉柄があって斜めに立ち,水面よりも上に出る。葉柄は長さ20~60cmで,断面は三角形である。葉身は広楕円形で,長さ10~20cm,幅6~15cmあり,先はとがる。熱帯では周年開花をする。花茎は長さ20~80cmあり,断面は三角形で,先に約10個の花から成る散形状の集散花序をつける。花序の基部に数個の卵形の苞葉がある。花柄は長さ2~7cm。萼片は3枚あり緑色。花弁も3枚で広卵形,長さ2~3cmで先は丸く,黄色である。おしべは多数あり,外側のものは仮雄蕊(かゆうずい)となっている。心皮は多数あって離生し,密に並んで左右から扁圧されている。種子は各心皮の中に多数でき,馬蹄形に曲がっている。中の胚も同形である。熱帯アメリカの原産で,熱帯域に広く帰化している。また観賞用に温室で栽培され,若葉や花序は野菜として食用にされる。

 ヒドロクレイスHydrocleis nymphoides Buchen.(英名water poppy)は葉身が心臓形で水面に浮かび,葉柄には横縞がある。花弁は黄色で大きく,長さ3~4cmある。心皮は5~7個が離生する。南米の原産で,各国で観賞用に栽培される。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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