日本大百科全書(ニッポニカ) 「リュネ・ポー」の意味・わかりやすい解説
リュネ・ポー
りゅねぽー
Aurélien Marie Lugné-Poe
(1869―1940)
フランスの演出家、俳優。パリ生まれ。1888年コンセルバトアールに入学、在学中にアントアーヌの自由劇場運動に加わり、脱退。ポール・フォールの芸術劇場を受け継いで、93年のメーテルリンク作『ペレアスとメリザンド』初演を機に制作座を結成、象徴派的演劇活動を推進する。当時、象徴派ともみられていたイプセン劇に心酔する彼は『ロスメル屋敷』などを初演、96年には『サロメ』とジャリの『ユビュ王』初演で話題をよんだ。1900年再開後の制作座で、クローデルの『マリアへのお告げ』『人質』を上演。彼の演出、演技は非現実性と夢幻性の強調にあったといわれる。
[石澤秀二]