リン酸二水素カリウム(読み)リンさんにすいそカリウム(その他表記)potassium dihydrogenphosphate

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リン酸二水素カリウム」の意味・わかりやすい解説

リン酸二水素カリウム
リンさんにすいそカリウム
potassium dihydrogenphosphate

化学式 KH2PO4 。第一リン酸カリウムともいう。医薬分野や工業関係では単にリン酸カリウムと称する。水酸化カリウムまたは炭酸カリウムの水溶液に当量のリン酸を加えて濃縮析出させる。工業的には,リン酸に塩化カリウムを加えて強熱し,塩化水素および水を失って生成したメタリン酸カリウムを急冷し,その水溶液を濃縮して析出させる。無水和物で無色,正方晶系結晶,融点 96℃。水によく溶け,弱酸性を呈する。結晶は強誘電体で圧電素子,電気光学素子としても重要な物質である。培養基緩衝溶液,食品添加剤,肥料にも用いられる。加熱すると分子内脱水が 208℃で始まり,258℃で急激に水分を失い,重合してポリメタリン酸カリウムになる。無色結晶,融点 807℃,水に難溶。化学式は (KPO3)n と書くことができる (nは1~2万) 。

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世界大百科事典(旧版)内のリン酸二水素カリウムの言及

【リン酸カリウム(燐酸カリウム)】より

…鹹水原料,醸造用剤,膨張剤,調味料,pH調整剤,ペニシリン・ストレプトマイシン培養基などに用いられる。
[リン酸二水素カリウムpotassium dihydrogenphosphate]
 化学式KH2PO4。第一リン酸カリウムともいう。…

※「リン酸二水素カリウム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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