改訂新版 世界大百科事典 「ルエリア」の意味・わかりやすい解説
ルエリア
Ruellia
キツネノマゴ科ルエリア属Ruelliaの草本もしくは低木で,温帯と熱帯地方に約200種を産する。株は全体が柔らかい毛につつまれ,葉は対生し,通常は全縁であるが,ときに歯牙がある。花は白,桃,すみれ,紫色などで,苞腋(ほうえき)に叢生(そうせい)するか円錐花序につくが,単生状態となることもある。葉の美しい種が観葉植物として栽培され,また花の美しいものもある。
ルエリア・アモエナR.amoena Neesはブラジル原産の小低木状で,高さは50~60cmとなり,よく分枝する。葉は緑色で光沢があり,卵形か長楕円状披針形。花は長い花梗を出して束生し,漏斗状で鮮紅色である。ルエリア・デボシアナR.devosiana Morr.はブラジル原産の低木で草本状,高さ30~45cmとなり,全体が柔らかい毛でおおわれる。草姿は茎が根元で広がり根元をおおうような形となる。葉は楕円形,暗緑紫色で主脈と側脈が白色で浮き出し,裏面は濃紫色。花は白色で青色の条線が入る。このほかに園芸品種のマコヤナcv.Makoyanaやルエリア・マクランサR.macrantha Mart.ex Neesなどが栽培されている。栽培するには,種類にもよるが,冬は5~15℃を保つ。葉の模様の美しいものは,夏は日陰に置く。培養土は排水の良い腐葉土を多くした軽い土を用いる。繁殖は挿芽か,種子がよくできるのでこれをまく。
執筆者:坂梨 一郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報