レセプタクリテス(その他表記)Receptaculites

改訂新版 世界大百科事典 「レセプタクリテス」の意味・わかりやすい解説

レセプタクリテス
Receptaculites

オルドビス紀からデボン紀にかけてのみ産出する,高次分類上の位置が不明な化石の1属。これまで石灰藻,有孔虫,カイメン,サンゴ,棘皮(きよくひ)動物と研究史上種々大きく異なる部類に解釈されてきたが,現在は海綿動物に最も近い海生動物と考えられている。骨格外形は杯状あるいは皿状で,表面には六角形の骨片が規則正しく配列して壁を形成し,その内方には4個の枝をもつ柱状構造が発達している。骨片は海綿動物のものと多少似ているが,骨格全体の構造は異なっており,海綿動物に特徴的な溝系をもっていたのかどうかは不明である。しかし分類上本属に近いイシャディテス属Ischaditesには海綿動物の流出溝に似た孔が発達している。外骨格の形態から他物に付着していた痕跡はない。共産する化石から判断して,浅海底に生息していたものと思われる。骨格は炭酸カルシウムからなるが,骨格が保存されず,型として産出する場合も多い。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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