ロゴポイオイ(その他表記)logopoioi

改訂新版 世界大百科事典 「ロゴポイオイ」の意味・わかりやすい解説

ロゴポイオイ
logopoioi

古代ギリシア語で〈物語の語り手〉の意。ロゴグラフォイlogographoi(〈物語作者〉の意。単数形logographos)ともいう。ギリシア初期の年代記作家たちで,ヘロドトスのような歴史家の先駆をなす。彼らの多くはイオニア出身者で,前6~前5世紀に活躍。散文によって諸都市の創設伝承や神々,英雄の系譜などを無批判的に記録した。ミレトスのカドモスKadmos,ヘカタイオス,ランプサコスのカロンCharōn,リュディアのクサントスXanthos,ミュティレネのヘラニコスHellanikosなどが輩出し,多くの作品を書いたといわれるが,現在ではその断片が伝わっているにすぎない。なお,ロゴグラフォイという言葉は,古典期アテナイでは訴訟当事者に代わって法廷弁論を書いた職業的弁論起草者をも意味した。アンティフォンがその最初の人物といわれ,リュシアスイソクラテス,イサイオスIsaios,デモステネス,デイナルコスDeinarchos,リュクルゴスなどが活躍,政治家として名をはせる者もあった。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 古川

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android