ロビ族(読み)ロビぞく(その他表記)Lobi

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ロビ族」の意味・わかりやすい解説

ロビ族
ロビぞく
Lobi

西アフリカのブルキナファソ南西部,ボルタ川流域を中心に居住する民族トウジンビエモロコシの栽培を中心とする農耕民であるが,狩猟も行う。ニジェール=コルドファン語族のグル語系の言語を話す。また,手のひら大の木笛を用いて,その音の高低による笛言葉でメッセージの伝達を行う。社会組織は血縁集団を基礎とし,全体は4つの胞族から構成され,日常生活や儀礼における相互扶助単位となる。西アフリカ内陸部の諸社会にみられるように,土地の掌握者であり大地祭祀の長である長老が,聖俗両方にかかわる指導者の役割を果す。 14世紀からイスラム教を受容するが,伝統的宗教も併存している。近年,隣接するコートジボアールへの出稼ぎ労働者が増加傾向にある。現在の人口約 15万と推定される。

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世界大百科事典(旧版)内のロビ族の言及

【住居】より

…これは大きい円が小さい円を内包する形で重合したもので,屋根は草葺である。 矩形の住棟が複合化した例としてロビ族のコンパウンドがある。ロビ族の住居は細長いホールの両側に矩形の住棟が並列的に並んだもので,各部屋へは奥の厨房を介してアプローチする。…

【ブルキナ・ファソ】より

… 野生動物の減少が著しく,南部のポー,東部のアルリーを中心に,象,ライオン,野牛などの保護地区が設けられている。
[住民,社会]
 ブルキナ・ファソの住民は,ボルタ語族に属する言語をもつモシ族(約300万人),ロビ族およびダガリ族(約44万人),ボボ族(約42万人),グルンシ諸族(約33万人),グルマンチェ族(約28万人)等が過半数を占め,次いで西アトランティック語族に属する言語をもつフルベ族(約66万人),マンデ語族に属する言語をもつサモ族(約14万人),ビサ族(約13万人)から成る。とくに西部地方は小部族集団に分かれており,部族の単位のとり方にもよるが,ブルキナ・ファソ全体で60以上の部族集団があるとみられる。…

※「ロビ族」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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