ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ロペス・オブラドル」の意味・わかりやすい解説
ロペス・オブラドル
López Obrador, Andrés Manuel
メキシコの政治家。大統領（在任 2018～ ）。名前の頭文字からアムロ AMLOの愛称で知られる。1972～76年，メキシコシティーの名門メキシコ国立自治大学 UNAMで政治学と行政学を学んだ。この間，郷里のタバスコ州で先住民に農業を教える仕事に従事したことで，貧困問題の解決を目指すようになり，当時の支配政党，制度的革命党 PRIに入党。1988年民主国民戦線 FDN（のち革命民主党 PRDに活動を継承）に転じ，タバスコ州知事選挙に立候補したが敗退。1990年代は国営石油会社ペメックス PEMEXによるタバスコ州での環境汚染問題で草の根の抗議運動を指揮し，また PRIの選挙不正を糾弾する大規模な活動を展開して全国的な知名度を上げた。1996年 PRDの党首に就任。2000年メキシコシティー市長選挙に出馬して勝利，2005年まで務めた。2006年大統領選挙に出馬したが，僅差で国民行動党 PANのフェリペ・カルデロンに敗れ，2012年の大統領選挙でも PRIのエンリケ・ペニャ・ニエトに敗れた。2014年左派政党の国家再生運動 MORENAを結成。2018年7月，MORENAを率いて大統領選挙に出馬し，PRIと PAN以外の候補としておよそ 90年ぶりに勝利を収めた。同時に実施された上下両院議会選挙でも MORENAは大勝し，連携政党と合わせて両院で最大勢力となった。同 2018年12月大統領に就任した。
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