ロングフライト血栓症(読み)ロングフライトケッセンショウ

デジタル大辞泉 「ロングフライト血栓症」の意味・読み・例文・類語

ロングフライト‐けっせんしょう〔‐ケツセンシヤウ〕【ロングフライト血栓症】

エコノミークラス症候群

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ロングフライト血栓症」の意味・わかりやすい解説

ロングフライト血栓症
ろんぐふらいとけっせんしょう

肺塞栓(そくせん)症(肺動脈血栓塞栓症)の一種。おもに体の深くにある深部静脈にできる血栓が原因になるので、深部静脈血栓症の一部でもある。航空機の座席に長時間同じ姿勢で座っていた乗客が、着陸後に動いたときに倒れ、ときに死亡することがある。以前は「エコノミークラス症候群」とよばれたが、かならずしもエコノミー・クラスの狭い座席に限らないことから、表記の呼称が使われるようになった。足に血液がたまり、できた血栓(血液の塊)が歩き始めると血流にのって肺にいき、肺の血管を詰まらせ、息苦しくなるなどの症状が現れる。航空機内は湿度が低く、気圧も低いので血液の流れが悪くなるため、とくにおきやすい。欧米人に比べると少ないとされる日本人でも年に数人はいるが、どんな人におきやすいかなどの実態ははっきりしていない。なお、航空機以外の乗り物などでも同様の症状がおきる危険性があるが、実は肺塞栓症は日常生活でもおきている。長時間の事務作業、泌尿器科や婦人科、整形外科などの手術後、また意外なところでは、精神科病院や老人病院で患者を拘束した場合などである。

田辺 功]

『江里健輔・松崎益徳監修『急性肺動脈血栓塞栓症予防・診療マニュアル――エコノミークラス症候群の予防とその対応』(2001・文光堂)』

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