改訂新版 世界大百科事典 「ローマ七丘」の意味・わかりやすい解説
ローマ七丘 (ローマしちきゅう)
古代ローマ市内の七つの丘。ふつうパラティヌス,カピトリヌス,アウェンティヌス,カエリウス,エスクイリヌス,ウィミナリス,クイリナリスの七丘をいう。ローマ市では帝政期に至るまで12月11日に七丘の住民がパラティヌス丘で供犠を行う〈七丘祭〉が挙行されたが,この七丘は上記の七丘ではなく,もっと狭い範囲内の七つの丘ないし区であった。すなわちパラティヌス,ウェリア,ファグタル,スブラ,ケルマルス,オッピウス,キスピウスである。こちらの方が極めて古いローマの市域を表し,先に挙げた七丘は都市国家が形成された後の市域である。現在のローマ市の七丘は,カンピドリオ(古代のカピトリヌス),パラティノ(パラティヌス),クイリナレ(クイリナリス),ピンチョ,アベンティノ(アウェンティヌス),ジャニコロ,オッピオ(オッピウス)である。
→ローマ[市]
執筆者:平田 隆一
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