山川 世界史小辞典 改訂新版 「ローマ市」の解説
ローマ市(ローマし)
Roma[イタリア],Rome[英]
イタリアの首都。ローマ教皇庁の所在地。古代の都市国家ローマが世界帝国に発展するとともに帝国の首都として繁栄したが,330年コンスタンティヌス大帝のコンスタンティノープル奠都(てんと)により首都の座からおり,410年にはアラリック,455年にはガイセリックに略奪された。中世にはローマ教皇の居住地,ローマ・カトリック教会の中心として栄えたが,アヴィニョンの捕囚で一時衰えた。ルネサンス期の教皇によって再び繁栄を取り戻したが,イタリア戦争で1527年カール5世が占領,破壊した。1798年フランス軍が占領し,ナポレオン支配下に入ったのち,教皇による反動政治,ローマ市民の反抗が繰り返された。1861年に成立した新生のイタリア王国は,70年ローマを占領してイタリアの統一を果たし,翌71年ローマを王国の首都とした。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報