改訂新版 世界大百科事典 「ワイセンベルク」の意味・わかりやすい解説
ワイセンベルク
Alexis Weissenberg
生没年:1929-2012
ブルガリア出身のフランスのピアニスト。生地ソフィアで幼時からピアノと作曲を学ぶ。ユダヤ系であるため,第2次大戦中,一時ナチスの強制収容所に入れられたが,イスラエルに逃れ演奏活動を開始。終戦直後アメリカに渡り,ジュリアード音楽学校でオルガ・サマロフに師事する。1947年G.セル指揮のニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団との共演によって注目された。50年代半ばから約10年間演奏活動を休止していたが,66年パリで復帰する。超人的な技巧と硬質で透明な音色の持主で,広いレパートリーのなかで,とくにリスト,プロコフィエフ,ストラビンスキーらの作品を得意とする。ベートーベンの協奏曲全集など,カラヤン指揮のベルリン・フィルハーモニー管弦楽団と共演したレコードも多い。69年初来日。
執筆者:後藤 暢子
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報