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わがひとに与ふる哀歌 わがひとにあたうるあいか

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世界大百科事典 第2版の解説

わがひとにあたうるあいか【わがひとに与ふる哀歌】

伊東静雄の第1詩集。1935年コギト発行所刊。《曠野の歌》《わがひとに与ふる哀歌》《有明海の思ひ出》など27編を収録する。ケストナーの諷刺精神や《古今集》の譬喩(ひゆ)表現に学び自ら〈静かなクセニエ(諷刺詩)〉と名づける作品と,孤高な浪漫的心情を文語脈で表現した硬質で魅惑的な作品が交錯して配置され,閉塞した時代状況の中で屈折せざるをえない青春の誇りと苦痛とがみごとに表現されている。萩原朔太郎は〈真に“心の歌”を持ってるところの真の本質的な抒情詩人〉と絶賛し,また〈傷ついた浪漫派の詩〉〈歪められた島崎藤村〉の歌と評した。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

わがひとに与ふる哀歌
わがひとにあたうるあいか

伊東静雄(しずお)の第一詩集。1935年(昭和10)10月コギト発行所刊。27編の詩を収める。『古今和歌集』などの日本の古典から学んだものと、ドイツロマン派から学んだものとを基盤に、青春の傷つき屈折した詩情が歌われている。「美しい故郷は/それが彼らの実に空しい宿題であることを/無数な古来の詩の讃美(さんび)が証明する」(帰郷者)といった意識的にリズムを乱した文語脈の難解な詩風は、当時の文壇一般からはかならずしも快く迎えられたとはいえないが、「これはまさしく傷ついた浪漫(ろうまん)派の詩であり、ゆがめられた島崎藤村(とうそん)の歌である」と評した萩原朔太郎(はぎわらさくたろう)らには激賞され、文芸汎論(はんろん)賞を受けた。[高橋広満]
『林富士馬編注『伊東静雄詩集』(旺文社文庫)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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