飼料作物病害図鑑 「ワラビー萎縮症」の解説 ワラビー萎縮症(トウモロコシ) 1988年に熊本県で初めて発見された。病徴は幼苗の葉脈がこぶ状に隆起し、新規の展開葉の成長が著しく阻害され、株が極端に矮化する。20世紀初頭にオーストラリアで発見され、罹病した株の葉がワラビー(小型カンガルー)の耳のように見えることから命名された。当初、病原はMaize wallaby ear virus (MWEV)とされたが、その後吸汁害虫であるヨコバイの一種(Cicadulina bimaculata)の吸汁害および虫の産生する毒素によるとされた。我が国ではアジアに分布するフタテンチビヨコバイ(Cicadulina bipunctata)によるが、気候温暖化に伴って北上しつつあり、今後の発生激化が懸念される。 出典 畜産草地研究所飼料作物病害図鑑について 情報