アオシャク(読み)あおしゃく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アオシャク」の意味・わかりやすい解説

アオシャク
あおしゃく / 青尺蛾

昆虫綱鱗翅(りんし)目シャクガ科アオシャク亜科のガの総称。このガ類は、大部分の種ではねの表面が美しい緑色のため、「アオシャク」という語尾で統一されている。ほとんど全世界に分布しているが、熱帯に産するものが多い。日本には73種がすむ。成虫の大きさは、はねの開張12~60ミリメートル、色彩斑紋(はんもん)は変化に富む。すべて夜行性で、よく灯火に飛来する。昼間、葉上ではねを広げて静止していると、葉と背面の色彩がよく似ていて、食虫性の鳥獣の目から逃れることができる。幼虫は、いわゆるシャクトリムシで、おもに樹木の葉を食べる。

[井上 寛]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android