アフィン変換(読み)アフィンヘンカン(その他表記)affine transformation

デジタル大辞泉 「アフィン変換」の意味・読み・例文・類語

アフィン‐へんかん〔‐ヘンクワン〕【アフィン変換】

幾何学分野で、ある図形拡大縮小回転剪断せんだんなどの一次変換平行移動組み合わせたもの。アフィン写像

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アフィン変換」の意味・わかりやすい解説

アフィン変換
アフィンへんかん
affine transformation

アフィン空間に作用する変換である。座標で表現すれば次のようになる。いま,x および y を,成分 (x1x2,…,xn) および (y1y2,…,yn) をもつ n 次元ベクトル,An 次の正方行列a を定ベクトルとする。対応 yAxa の形,すなわち x の成分に対する1次式で表わされるとき, をアフィン変換という。ただし, が一対一対応であることを保証するために,A行列式が0でないと仮定する。アフィン変換で特に a を平行移動という。 a が零ベクトルの場合,すなわち,対応 は,普通の線形変換になる。アフィン変換は,より直感的な表現を用いれば,直線を直線に移し,平行な線分の比を不変に保つような全単射として特徴づけることもできる。

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「アフィン変換」の解説

アフィン変換

ユークリッド幾何学的な線型変換と平行移動の組み合わせによる図形や形状の移動、変形方式。4×4の行列演算で表現できる移動、回転、左右反転、拡大、縮小、シアー座標変換。アフィン変換は元の図形で直線上に並ぶ点は変換後も直線上に並び、平行線は変換後も平行線であるなど、幾何学的性質が保たれる変換方式。

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世界大百科事典(旧版)内のアフィン変換の言及

【アフィン幾何学】より

…擬似幾何学ともいう。クラインは1872年に有名な《エルランゲン・プログラム》を発表し,その中で幾何学を変換群の立場から統一的に論じ,例えば,図形の性質のうち,合同変換で変わらないような性質を調べるのがユークリッド幾何学であり,射影変換によって変わらない性質を調べるのが射影幾何学であると定義したが,この立場に立つとき,アフィン幾何学とはアフィン変換によって不変な性質を調べる幾何学といえる。この幾何学の源泉はメービウスの《重心算法論Der baryzentrische Kalkül》(1827)にあるが,新しい種類の幾何学として確立したのはクラインである。…

※「アフィン変換」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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