アメリカン・シーン・ペインティング(英語表記)American Scene Painting

世界大百科事典 第2版の解説

アメリカン・シーン・ペインティング【American Scene Painting】

1920年代から30年代にかけて,アメリカの都市や農村の光景を描いた絵画の総称。さまざまの傾向をふくむが,大きく分けるとキュビスムの影響をうけた半抽象的な系列と写実的な系列の二つがある。前者の舞台になったのは主としてニューヨークで,ブルックリン橋や高層建築をモティーフとして,近代文明を謳歌するステラJoseph Stella,シーラーCharles Sheeler,大都市のバイタリティを抽出したデービスがおり,後者には都会の底辺の日常の光景をとらえたマーシュReginald Marsh,孤独と疎外を描いたホッパー,ソーシャル・リアリズムsocial realismの立場を貫いたシャーンがいる。

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世界大百科事典内のアメリカン・シーン・ペインティングの言及

【アメリカ美術】より

…しかし第1次大戦の勃発によりヨーロッパからの影響が薄れて,中西部を拠点とする写実主義的なリージョナリズム(地方主義)が台頭した(T.H.ベントン,ウッドGrant Wood(1892‐1941),カリーJohn Steuart Curry(1897‐1946)ら。アメリカン・シーン・ペインティング)。こうしたナショナリズム的傾向は,大恐慌(1929)後実施されたニューディールの一環であるWPA(事業促進局)の美術計画(公共建造物の壁画制作促進など)に流れこんでいった。…

【新即物主義】より

… このような新即物主義美術の傾向は,ワイマール共和国が1924年以後相対的安定期に入り,機械と技術の時代が到来するとともにさらに深化し,対象の冷たい描写が精密になる一方で,その暗示的な性格もいっそう強まっている。巨大な機械に動物や女体をからませるグロースベルクC.Grossberg,女性優位の疎外された男女関係を突き放して描くレーダーシャイトA.Räderscheidt,その関係に退廃をひそませるシャートC.Schad,大都市の街や看板を人間不在で描くブンダーワルトG.Wunderwald,飛行機や巨船のある圧倒的な風景とそれに無関心な人間像とを対立させるラドツィウィルF.Radziwillなど,彼らの即物主義には一方で1920年代のアメリカン・シーン・ペインティング,他方ではパリのシュルレアリスム絵画と似通う要素がある。この,平凡な日常生活を対象にした新即物主義とは対照的に,左派は28年に〈革命的造形家協会〉(通称ASSO)を結成し,グルンディヒH.Grundigなどが社会主義リアリズムをめざして,典型的労働者像や時代批判のリアリズム絵画を展開した。…

※「アメリカン・シーン・ペインティング」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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