アルカリマンガン乾電池(読み)アルカリマンガンカンデンチ(その他表記)alkaline manganese dioxide dry cell(battery)

デジタル大辞泉 「アルカリマンガン乾電池」の意味・読み・例文・類語

アルカリマンガン‐かんでんち【アルカリマンガン乾電池】

アルカリ乾電池

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改訂新版 世界大百科事典 「アルカリマンガン乾電池」の意味・わかりやすい解説

アルカリマンガン乾電池 (アルカリマンガンかんでんち)
alkaline manganese dioxide dry cell(battery)

単にアルカリ乾電池ともいう。マンガン乾電池の中性電解液の代りにアルカリ性の溶液を用いた乾電池。電解液には30~40%の水酸化カリウムKOH(または水酸化ナトリウムNaOH)に酸化亜鉛ZnOを飽和した溶液が用いられる。電極反応は次のとおり。

 陰極 Zn+4OH─→ZnO22⁻+2H2O+2e⁻

 陽極 2MnO2+2H2O+2e⁻─→2MnO(OH)+2OH⁻

陰極は亜鉛缶でなく,ゲル化した亜鉛粉末を用いる。公称電圧はマンガン乾電池と同じく1.5Vで,価格はマンガン乾電池の2倍程度であるが,電圧安定性がよく,普通の使用条件ではマンガン乾電池の約3倍の容量になり,高負荷連続放電では約10倍の容量となる。この電池の開発については19世紀末から考えられていたが,1960年年代に実用化すると急速に普及し,近年では乾電池生産量の10%を占めている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アルカリマンガン乾電池」の意味・わかりやすい解説

アルカリマンガン乾電池
アルカリマンガンかんでんち
alkaline manganese dry cell

材料マンガン乾電池と同じく炭素棒を陽極とし,これを二酸化マンガンを主とした合剤で包み,陰極として亜鉛粉末を用い,電解液として水酸化カリウムなどのアルカリ水溶液を用いた乾電池。定格電圧は 1.5V。同一形状のマンガン乾電池に比べ容量が大きく,急放電に適している。

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