アンヌ・ドートリッシュ(読み)あんぬどーとりっしゅ(その他表記)Anne d'Autriche

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アンヌ・ドートリッシュ」の意味・わかりやすい解説

アンヌ・ドートリッシュ
あんぬどーとりっしゅ
Anne d'Autriche
(1601―1666)

フランス王ルイ13世の王妃。スペイン王フェリペ3世とマルグリート・ドートリッシュ妃の間に生まれた。1615年ルイ13世と政略結婚。しかし性格があわず不仲で、王子(後のルイ14世)の誕生は結婚後23年たった1638年である。この間、バッキンガム公との恋愛事件や政治陰謀事件に巻き込まれたが、夫王と枢機卿(すうきけい)リシュリュー死後摂政(せっしょう)となり、宰相マザランを起用してフロンドの乱(1648~1653)の危機を切り抜けた。マザランとはひそかな夫婦関係にあったといわれるが事実は不明である。晩年、自身の建立したバル・ド・グラス僧院を中心に敬虔(けいけん)な修道生活と慈善事業に専心した。

[千葉治男]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アンヌ・ドートリッシュ」の意味・わかりやすい解説

アンヌ・ドートリッシュ
Anne d'Autriche

[生]1601.9.22. バラドリド
[没]1666.9.20. パリ
フランス王ルイ 13世の妃。スペイン王フェリペ3世の娘。ルイ 14世の母。 1615年結婚。ルイ 14世の幼少期には,J.マザラン協力を得て摂政をつとめフロンドの乱を切抜けた。

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