イズボルスキー(その他表記)Izvol'skii, Aleksandr Petrovich

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イズボルスキー」の意味・わかりやすい解説

イズボルスキー
Izvol'skii, Aleksandr Petrovich

[生]1856.3.17. モスクワ
[没]1919.8.16. パリ
ロシアの外交官,政治家。 20世紀初期のロシア帝国主義対外政策のほとんどすべての重要事件に第一線の外交官として活躍。ポーランド貴族の出身。 1897~1900年イタリア駐在公使。 1900年日本駐在公使に転じ,義和団の乱 (北清事変) 以降極東において国際的に孤立を深めるロシア極東政策の対日関係を担当。 01年1月列国の共同保障のもとに朝鮮の中立化案を提議し,一時日露間に戦争危機を招いた。 03年デンマーク駐在公使。 06年外相に起用され,国内のブルジョア路線に対応して協商陣営に接近。 07年7月満蒙における勢力範囲分割のための第1回日露協商,8月ペルシア,アフガニスタンチベットにおける勢力範囲分割と権益の相互尊重を取決めた英露協商を締結,三国協商を完成させて第1次世界大戦にいたるロシア外交の基調をしいた。 08年 10月オーストリアがスラブ人居住地のボスニアヘルツェゴビナを併合した際,ドイツ,オーストリアの軍事的威嚇に屈し,しかもボスポラス,ダーダネルス両海峡の通行権を得ることに失敗。 10年フランス駐在大使となり,三国協商の強化に努めるとともに,第1次世界大戦中は領土分割に関する協商国間の条約作成。 17年の革命以後も亡命して引続きパリに居住した。

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