化学辞典 第2版 の解説
イソキノリンアルカロイド
イソキノリンアルカロイド
isoquinoline alkaloid
構造上,イソキノリンの誘導体とみなされる一群のアルカロイドの総称.アヘンアルカロイド,吐根アルカロイド,およびツヅラフジ科アルカロイドなどのほか,各種植物にその種類は非常に多い.構造的にベンジルイソキノリンを出発点としたものがもっとも多く,さらにさまざまな分子内結合,あるいは分子間の結合によって次の各群が生じる.
(1)ベンジルイソキノリン型:パパベリン,ナルコチン,ヒドラスチンなど.
(2)ベルベリンあるいはプロトベルベリン型:ベルベリン,コリダリン,サンギナリンなど.
(3)開裂ベルベリン型(プロトピン型):クリプトピン,プロトピンなど.
(4)アポルフィン型:アポモルヒネ,グラウシンなど.
(5)モルヒネ型:モルヒネ.
さらにベンジルイソキノリンが2分子エーテル結合すれば,
(6)ビスベンジルイソキノリン型
となり,この結合様式によってさまざまな種類が生じる(ダリウシン,ベルバミン,トリロビンなど).エメチンは2分子のフェネチルアミンと1分子のテルペンより生成するイソキノリンアルカロイドとみなされる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報