化学辞典 第2版 「ヒドラスチン」の解説
ヒドラスチン
ヒドラスチン
hydrastine
C21H21NO6(383.40).キンポウゲ科Hydrastis canadensisのヒドラスチスに2~4% 含まれる,イソキノリンアルカロイドの一種.分子中に2個の不斉炭素があり,4個の光学異性体が考えられるが,その後,ケシ科,メギ科,ケマンソウ科などからすべての異性体や多数の類縁体が見いだされている.(1R,9S)-ヒドラスチンは融点132 ℃.-50°(エタノール).pKa 7.8.水に不溶,アルコール類に可溶,クロロホルムに易溶.塩酸塩は融点116 ℃.+127°(希塩酸).(1R,9R)-ヒドラスチンは融点162 ℃.-141°(クロロホルム)[CAS 4370-85-5].ラセミ体は合成可能.血管収縮作用を有し,局所麻酔や止血薬として広く臨床に用いられる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報