インバウンド消費(読み)いんばうんどしょうひ(英語表記)inbound tourism consumption

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

インバウンド消費
いんばうんどしょうひ
inbound tourism consumption

非国内居住者(経済領域を含む)による国内消費。インバウンドには「海外から入ってくる」という意味があり、日本からみた場合のインバウンド消費は訪日外国人消費をさす。インバウンド需要ともいう。対義語はアウトバウンド消費outbound tourism consumptionで、同じく日本人の海外での消費行動をいう。ここでは、主として日本のインバウンド消費について解説する。
 インバウンド消費の対象は訪日観光客のほか、日本で開かれる国際会議やイベントへの参加者、企業の研修・報奨旅行などによる訪日者で、航空機などの乗員、航空機などの経由地での一時滞在(トランジット)者、留学生など1年以上の滞在者は除かれる。日本のインバウンド消費は増加傾向にあり、観光庁の「訪日外国人消費動向調査」によると、2014年(平成26)の訪日外国人のインバウンド消費額は2兆0278億円と前年比で43%増え、日本の個人消費全体のほぼ1%を占めた。政府は2020年までにインバウンド消費を4兆円にする目標を掲げている。このインバウンド消費に関する盛り上がりは、(1)円安傾向の定着、(2)格安航空会社(LCC)を中心とした日本就航便の増加、(3)観光地などでの外国人向け施設の整備進捗(しんちょく)、(4)アニメ、アイドル、日本食などクールジャパンとよばれる日本のコンテンツの海外での根強い人気、などにより、訪日外国人が増えたことが、そのおもな要因である。加えて、(5)訪日外国人の免税対象範囲が医薬品や食料品に広がるなど免税制度が拡充されていること、(6)イスラム教の戒律に沿ったハラール認証をとった商品やサービスが増えていること、なども消費促進の要因となっている。とくにインバウンド消費全体の4分の1を訪日中国人が占め、日本製品を大量に購入する消費行動をさす「爆買い」ということばも生まれた。日本国内の個人消費が低迷するなか、インバウンド消費は個人消費を底上げし、景気を刺激する効果をもつ。とくに家電量販店、百貨店、ドラッグストア、航空・空港・鉄道会社、テーマパーク、ホテルなどのインバウンド消費関連企業はその恩恵にあずかることができるため、株式市場では、こうしたインバウンド消費に関連する企業をインバウンド銘柄とよんでいる。[矢野 武]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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