化学辞典 第2版 「ウィッティヒ反応」の解説
ウィッティヒ反応
ウィッティヒハンノウ
Wittig reaction
イリドの一つであるP-イリドをアルデヒドやケトンに作用させ,カルボニル基の酸素原子をアルキリデン基で置換してアルケンを合成する反応.多数の天然物の合成にも適用され,合成化学上の価値が高い.トリフェニルホスフィンのような第三級ホスフィンとハロゲン化アルキルとから,まずホスホニウム塩(a)をつくる.(a)にアルキルリチウム,水素化ナトリウム,ナトリウムアミドなどの塩基を作用させて,α位のHを脱プロトンしてイリド(b)を生成させる.(b)にはホスホラン(b′)の共鳴寄与が考えられるが,これにカルボニル化合物を加えると,オキサホスフェタン中間体(c)を生じ,その分解によりアルケン(d)とトリフェニルホスフィンオキシド(e)を生じる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報