ウルグアイ・ラウンド農業交渉(読み)ウルグアイラウンドのうぎょうこうしょう(その他表記)Uruguay Round Negotiation of Agriculture

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

ウルグアイ・ラウンド農業交渉
ウルグアイラウンドのうぎょうこうしょう
Uruguay Round Negotiation of Agriculture

1986年9月に南米ウルグアイで開催された関税貿易一般協定 (ガット) 閣僚会議交渉開始を宣言した多角的貿易交渉 15分野の一つ。 93年 12月に一括して交渉が終了した。これまでのガット交渉では農業分野は除外されていたが,世界的な農産物の構造的過剰を背景に,補助金付き輸出の増大などで輸出競争激化,世界の農産物市場が混乱したため,今回の交渉に新たに加えられた。 91年 12月にドンケル事務局長が包括的関税化を柱とする最終合意案を提示,日本の米の関税化6年間猶予など若干の修正後,合意した。おもな合意内容は (1) 農産物は原則として関税化する,(2) 関税を平均 36%,最低でも 15%引下げる,(3) 国内支持,国境措置,輸出競争の3分野にわたり保護水準を引下げる,(4) 輸出補助金は金額で 36%,対象数量で 21%削減する,(5) 実施期間は 95年から 2000年までの6年間,などである。

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農林水産関係用語集 の解説

ウルグアイ・ラウンド(UR)農業交渉(合意)

Uruguay Round/ウルグアイ・ラウンド交渉は1986年9月に南米ウルグアイのプンタ・デル・エステで開催されたガット閣僚会議での合意に基づき開始され、サービス貿易等の新たな分野を含む包括的な交渉として進められ、7年3か月後の93年12月に合意に至った。本交渉における農業交渉の特徴は、国内支持(農業補助金等)や輸出競争(輸出補助金等)にまで交渉の対象が拡大されたことにより、各国の国内農業政策にまで影響を与えるような結果となったことがあげられる。
本交渉の結果、市場アクセス(関税や関税割当て等)、国内支持、輸出競争の3分野の保護水準を95年から2000年までの6年間で一定水準削減すること等を内容とするWTO農業協定が合意された。

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