ウースン(読み)うーすん

改訂新版 世界大百科事典 「ウースン」の意味・わかりやすい解説

ウースン (呉淞)
Wú sōng

中国,上海市北郊の鎮。また上海市の区名。港湾があり上海の外港である。黄浦江長江揚子江)に流入する地点(呉淞口)の西岸にあり,長江下流デルタの水陸交通の要衝で,明代に倭寇に対する海防基地が設けられたものが,一つの鎮に成長した。アヘン戦争のとき,ここにある砲台で江南提督陳化成が最後まで抵抗したのは有名。上海が開港したのちは,軍事基地として,また黄浦江を遡航できない大型船の係留地としてなど,上海と結びついて発展した。1876年(光緒2)には,中国で最初の本格的な鉄道が,呉淞~上海間に開かれた(淞滬(しようこ)鉄道)。ついで98年には,他の条約港に抗して,中国みずから開港地となし,独立した貿易の発達を画したが,成功しなかった。現在は郊外の工業基地で,1980年には宝山製鉄所の地区と合して,呉淞区として市区の一つとなっている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウースン」の意味・わかりやすい解説

ウースン
うーすん

呉淞

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