呉淞(読み)ごしょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「呉淞」の意味・わかりやすい解説

呉淞
ごしょう / ウーソン

中国東部、上海(シャンハイ)市北部にある同市宝山(ほうさん)区の街道(行政区画)。ウースンともいう。黄浦江(こうほこう)河口西岸に位置する港湾・工業地区である。人口7万4948(2014)。14世紀以後揚子江(ようすこう)、黄浦江河口一帯の要地とされ、しばしば倭寇(わこう)の襲撃に悩まされた。アヘン戦争の際にはイギリス軍に占領された。1880年および1882年の条約によってドイツ船の停泊を許可し、1898年には開港場となり、以後上海の外港として発達した。1932年、1937年の日本軍の上海上陸作戦の際には、中国軍は呉淞砲台に拠(よ)って激しく抵抗した。

 上海の中心部とは中国最初の鉄道(1876年建設)である淞滬(しょうこ)鉄道で連絡していたが、1997年に廃線となった。旧沿線一帯は発電所、造船所、紡績などの工場が多い。また西部には、日本の借款によって建設された宝山製鉄所を中心とする巨大な鉄鋼コンビナートの発達が著しい。

[船越昭生・編集部 2017年4月18日]

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百科事典マイペディア 「呉淞」の意味・わかりやすい解説

呉淞【ウースン】

中国,上海市地名。呉淞江口に臨み,上海の外港として有名。淞滬(しょうこ)鉄路(呉淞〜上海)の起点で,軍事交通の要地。商業の中心は隣接の宝山に移ったが,近年は造船,機械,化学などの近代工業が発達している。
→関連項目黄浦江上海

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普及版 字通 「呉淞」の読み・字形・画数・意味

【呉淞】ウウスン

呉江。

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