オオモミジガサ(英語表記)Miricacalia makineana (Yatabe) Kitam.

改訂新版 世界大百科事典 「オオモミジガサ」の意味・わかりやすい解説

オオモミジガサ
Miricacalia makineana (Yatabe) Kitam.

1属1種で日本特産のキク科多年草。福島県以南の本州四国,九州に分布する。深山の標高800から1500mあたりの木漏れ日のさす林床に生える。掌状に切れ込んだ葉をもつモミジガサに似ていて,一回り大きいところからオオモミジガサと呼ばれる。別名トサノモミジソウは最初に発見された地の土佐(高知県)に産する草本のモミジという意味である。茎は直立し,高さ50~80cm,普通2枚の葉を互生し,根出葉を欠く。下葉は大きく,長柄がある。葉身は掌状に切れ込み,長さ・幅ともに30cm内外。上葉はおよそ半分くらいの大きさしかない。茎・葉ともに多細胞の褐色のちぢれた毛が多い。7~9月ごろ茎上部に総状花序をつけ,黄色の花を開く。花は多数の筒状花からなる頭花で,基部には多数の苞がそりかえってついている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「オオモミジガサ」の意味・わかりやすい解説

オオモミジガサ
おおもみじがさ / 大紅葉傘
[学] Miricacalia makinoana (Yatabe) Kitam.

キク科(APG分類:キク科)の多年草。茎は直立し、高さ1~1.5メートル。全体に淡褐色縮れ毛があり、やや柔らかい液質である。葉は2~3枚で、互生する。茎下部の葉は長い柄があって、葉身は掌状に中裂する。8~9月、茎頂に総状花序をつける。花は筒状花のみからなる頭花で、黄色である。深山の林床に生え、本州の中部地方以西、四国、九州に分布する。また、葉が紅葉(もみじ)に似ており、土佐(高知県)で最初に発見されたのでトサノモミジソウの別名がある。

小山博滋 2022年2月18日]

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