世界遺産詳解 「オヴス-ヌール盆地」の解説 オヴスヌールぼんち【オヴス-ヌール盆地】 2003年に登録された世界遺産(自然遺産)で、モンゴルの首都ウランバートル北西にある、モンゴルとロシアにまたがる盆地。塩分の濃い浅い湖であるオヴス・ヌール湖を中心とした盆地で、氷河がある高山帯から、ツンドラ、砂漠、ステップなどまで含む。モンゴルの4つの自然保護区とロシアの8つの自然保護区を合わせた総面積は、1万688km2に及ぶ。自然条件は過酷で、気温は夏は47度、冬はマイナス58度と極端である。こうした厳しい環境にもかかわらず、多くの野生生物が生息している。砂漠性ステップにはモウコガゼルやマダライタチなどの稀少動物、山岳地域にはユキヒョウなどの絶滅危惧種が生息し、オヴス・ヌール湖には、シベリアから南下するユーラシアヘラサギなどの渡り鳥が飛来する。生息する植物も、ツンドラのヒゲハリスゲ、イソツツジなどの低木、常緑針葉樹のヨーロッパアカマツや落葉小高木のケカンバなど多種多様である。このように中央アジアの自然がほとんど手つかずで残っていることが評価され、世界遺産に登録された。◇英名はUvs Nuur Basin 出典 講談社世界遺産詳解について 情報