日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
オースティン(William Roberts-Austen)
おーすてぃん
William Roberts-Austen
(1843―1902)
イギリスの金属学者。造幣局の科学研究の統轄者および王立鉱山学校冶金(やきん)学教授として金属研究に多くの業績をあげた。各種の合金について、合金が凝固過程で一方の過剰の金属の結晶を晶出してゆき、両金属の割合が一定になって共晶という結晶をつくる現象を図式化する状態図の作成に寄与した。さらにこれを鉄鋼に適用し、固体における析出現象に拡大し、鉄と炭素の平衡状態図をつくりあげて、1897年に発表した。これはのちにローゼボームによってギブスの相律を適用して完成された。
[中沢護人]
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