カイバー峠(読み)カイバートウゲ(その他表記)Khyber Pass

翻訳|Khyber Pass

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カイバー峠」の意味・わかりやすい解説

カイバー峠
かいばーとうげ
Khyber Pass

パキスタンアフガニスタン国境に位置し、サフド・コー山脈を越えて、パキスタンのペシャワルとアフガニスタンのカブールを結ぶ峠。カイバル峠、ハイバル峠ともいう。ペシャワルの西方16キロメートルのジャムルードからアフガニスタンのダッカに至る約17キロメートルの間をいう。最高点の標高は1050メートル。古来、インドへ侵入したアーリア人やイスラム諸民族の多くはこの峠を越えた。とくに、ムガル帝国の祖バーブルの峠越えは有名である。現在では隊商路のほかに車道もあり、計画中のアジア・ハイウェーもここを通る。また、ジャムルードから国境の町ランディ・カナまでは、パキスタンの軍事用鉄道も敷設されている。周辺はアフガン人あるいはパターン人とよばれる辺境民族が居住する。近くのカブール川にはワルサク・ダムが建設され、パキスタン側を灌漑(かんがい)している。

[林 正久]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カイバー峠」の意味・わかりやすい解説

カイバー峠
カイバーとうげ
Khyber Pass

パキスタンの北西部,アフガニスタンとの国境にある峠。ペシャワル西方約 40kmの地点,スライマン山脈の谷間を通りアフガニスタン領トルカムに通じる。標高 1067m。古くからインド亜大陸中東,ヨーロッパを結ぶ重要な交通路で,シルクロードの中継地点。交通量も多い。峻険な山間に囲まれた交通の難所であり,インド亜大陸進出を目指す侵入軍に対して,古くから自然の防衛要塞ともなっていた。現在では,完全舗装されてパキスタン-アフガニスタン-イランを通じてヨーロッパまで延びる自動車道路となっており,アジア・ハイウェーの一部をなす。

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