カション(その他表記)Cachon, l'Abbé Mermet de

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カション」の意味・わかりやすい解説

カション
Cachon, l'Abbé Mermet de

19世紀のフランスのイエズス会宣教師。日本名,和春。初め中国へ赴任し,のち琉球に滞在。安政5 (1858) 年,日仏通商条約締結の際,全権 J.グロ通訳として江戸に赴く。翌年駐日フランス総領事ベルクールのもとで通訳官となる。辞官して箱館でフランス語塾を開いた。おりから同地に左遷された進歩的幕臣栗本鯤 (→栗本鋤雲 ) と相互に知識を交流し,仏和辞典の編集などに従事公使 L.ロッシュのもとでさらに通訳官に登用され,横浜でフランス語学校を創立。慶応3 (1867) 年,遣欧使節徳川昭武に随行。また留学生の世話を行なうなど,フランスの幕府援助政策に貢献した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「カション」の解説

カション Cachon, Mermet de

1828-1871 フランスのカトリック宣教師。
1828年9月10日生まれ。安政5年(1858)フランス使節グローの通訳として来日。のち駐日総領事ベルクールや公使ロッシュの通訳をつとめ日仏間の親善につくす。幕府に横浜に仏語伝習所を設立させ,校長となる。慶応3年帰国。享年43歳。レブーシュー出身。日本名は和春。編著に「仏英和辞典」。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

貨幣 (名目) 賃金額を消費者物価指数でデフレートしたもので,基準時に比較した賃金の購買力を計測するために用いられる。こうしたとらえ方は,名目賃金の上昇が物価の上昇によって実質的には減価させられている...

実質賃金の用語解説を読む