カッシング(その他表記)Harvey Cushing

改訂新版 世界大百科事典 「カッシング」の意味・わかりやすい解説

カッシング
Harvey Cushing
生没年:1869-1939

アメリカの外科医。オハイオ州クリーブランドに生まれ,イェール,ハーバード両大学で医学を修め,スイスのベルン大学でコッヒャーTheodor Emil Kocher(1841-1917)から外科を学んだ。帰国後,ボルティモアジョンズ・ホプキンズ大学で正確な局在定位法にもとづく脳外科の開拓に努力。1912年ハーバード大学に神経外科クリニックを開設し,諸種の脳疾患を手術によって治療する方法を進展させ,脳神経外科学の面目を一新した。32年にカッシング症候群クッシング症候群)を記載するなど,脳下垂体を中心に内分泌学の分野でも業績をあげた。作家としても優れ,《ウィリアム・オスラー卿伝》(1925)はピュリッツァー賞を授与された。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のカッシングの言及

【クッシング症候群】より

…脳下垂体腺腫から副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)が過剰に分泌される結果,副腎皮質からのコルチゾール分泌が増加するもの(クッシング病。アメリカのH.カッシング(1869‐1939)が初めて報告),副腎皮質に発生した腫瘍からコルチゾールが過剰に分泌されるもの,脳下垂体以外の腫瘍からACTHが分泌される結果,副腎からのコルチゾール分泌が増加するもの(異所性ACTH症候群)などの病型がある。
[症状・診断]
 満月様顔貌,中心性肥満(体幹のみの肥満),皮膚線条,高血圧,骨粗鬆(そしよう)症,月経異常,多毛,低カリウム血症,耐糖能低下などの症状を呈する。…

※「カッシング」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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