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外科 げか surgery

翻訳|surgery

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

外科
げか
surgery

「手で仕事をする」という意味のギリシア語が語源。薬で治療する内科に対して,手の操作,すなわち手術による治療が適している病気を扱う医学の一分科をいう。前 3000年のエジプト古文書に,すでにごく原始的な外科技術が書かれており,ギリシアヒポクラテスが前4世紀に,また中国でも華佗が後漢時代に本格的な外科手術を行なっている。

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デジタル大辞泉の解説

げ‐か〔‐クワ〕【外科】

手術的な方法によって病気やけがなどを治療する医学の分野。脳外科心臓外科小児外科などに分かれる。⇔内科

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百科事典マイペディアの解説

外科【げか】

内科に対する語で,おもに体表に近い部分を扱う意味をもつが,本質的には手術により疾病や障害を治療する医学分野をいう。人体解剖学の確立,手術・消毒・麻酔などの技術的進歩とともに発展し,多くの専門分野に分化した。
→関連項目耳鼻咽喉科心臓外科標榜診療科

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栄養・生化学辞典の解説

外科

 傷や変形その他の身体の異常を物理的な手術や処置で解決する医学の分野.

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世界大百科事典 第2版の解説

げか【外科】

臨床医学の一部門。日本では,内部を診断・治療する内科に対し,外部に関係した処置を行う,すなわち〈外治〉という意味から外科という言葉を用いている。欧米で外科にあたる言葉(英語surgery,chirurgeryドイツ語Chirurgie,フランス語chirurgie)はラテン語のchirurgiaに由来するが,このラテン語はcheiro(手)とergon(わざ)という二つのギリシア語の合成にもとづくもので〈手のわざ〉という意であり,これには〈外〉という意味はない。

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大辞林 第三版の解説

げか【外科】

外傷や体内の諸疾患を手術や処置によって治療する医学の一分科。 「 -室」

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

外科
げか

医学の一分科。外科とは、手と働きという意味の2語からなるギリシア語、つまり「手で仕事をする」という意味のギリシア語を語源とするsurgeryの訳語で、手術によって病気を治す医術あるいは医学(外科学)の意である。したがって、外科の歴史といえば手術の歴史に重複するところが多い。そこで外科の沿革は手術の項目に譲り、ここでは主として外科学の変遷の概説と、現在細分化されている外科の各科について述べる。[工藤達之]

外科学の変遷

近代外科、現代の外科学の発足は19世紀中葉以後になるが、それまでの外科はいわゆる経験医学の域を脱することができず、外傷や戦傷に対する姑息(こそく)的な治療しか行われなかった。担当者は僧侶(そうりょ)か医師と自称するいかがわしい連中であり、今日の目でみると、でたらめ極まる治療が横行していた。ルネサンス以後にはややギルド的な制度が生まれ、外科医は理髪師が兼業していた。このころ、ヨーロッパの所々に学校が開かれ始めた。かくして1543年ベサリウスによる人体解剖書『ファブリカ』の発行が契機となって解剖を学ぶことが広く行われるようになり、このことが外科を学んだことを意味するようになった。そこで、短い上衣を着ていた床屋外科医を短衣派、大学派は長衣を着ていたので長衣派とよんで区別し、この両者が対立したまま19世紀に入った。
 近代外科の幕はアメリカの医師モートンのエーテル吸入麻酔法の発明(1844)によって開かれ、同じころウィーンではゼンメルワイスが、助産婦の手指をクロールカルキで消毒することにより産褥(さんじょく)熱の予防に成功した。続いてイギリスの医師リスターにより制腐・消毒の概念が導入されるに及び(1867)、今日の外科の基礎ができあがった。これによって勇気を得た医師たちは、より困難で複雑な手術に立ち向かうこととなる。手術手技の複雑化に伴い、止血が必要となる。出血する動脈を糸で結んで止血する方法は、フランスの医師パレの創意によって早く16世紀に始まった。この時期には、種々の優れた止血鉗子(かんし)の創案工夫によって多数の出血動静脈を手早く処理することが可能となり、近代外科の三本柱である麻酔・無菌法・止血法が完成した。こうした背景の下に腎臓(じんぞう)摘出、胃癌(がん)の摘除、甲状腺腫(せんしゅ)の摘出など、従来は未踏とされていた領域に次々とメスが加えられるようになる。
 しかし、19世紀の新段階でも、医師は上衣を脱いでワイシャツをたくし上げ、手を洗うだけであった。今日みられるような完全に消毒された白衣・白帽・マスクに身を包んだ外科医の姿をみるには20世紀の初頭まで待たねばならない。看護婦の誕生もだいたいこのころで、手術場の専門助手として、またそのマネージャーとしての職務が確立するのも期を同じくしている。この時期に、外科の発展にとって重要なX線と血液型が、それぞれ1895年と1901年に発見された。X線検査の重要性についてはいうまでもないが、血液型の発見は輸血を安全なものとし、大量出血下の外科手術を可能とした意義は大きい。
 医学全般の進歩は第二次世界大戦を境にして目覚ましい。すなわち、サルファ剤の開発を契機とする化学療法の発足と、これに引き続いて現れた抗生剤により、外科の大敵であった感染性疾患の激減がみられ、さらに今日まで次々と発見される新種の抗生剤のほか、ウイルスに対して有効なインターフェロンなどを駆使しつつ、外科は新しい進路を開拓して進んでいく。[工藤達之]

外科各科

外科の発達に医学の専門分化と専門医の訓練組織の果たした役割は大きい。ヨーロッパでは、産科は早くから独立しており、早く眼科と耳鼻科、さらに泌尿器科と婦人科が分科した。その後、骨と運動器の外科として整形外科が分科し、専門臓器別に肺外科、脳神経外科、心臓外科の分科をみている。日本では、第二次世界大戦の影響もあって分科独立が遅れていたが、1960年(昭和35)以後に外科の急速な発達がみられ、それぞれを専門とする医師が生まれている。このほか、補助的分科としての麻酔科の独立も特記すべきであろう。このような専門科の分科傾向は世界的なものであり、先進国といわれる諸国では多少の差はあっても専門医制度を採用している。これは、一定の修練期間を経たのち、試験によって資格を与え、身分を保護して医療レベルの向上を企図するものである。日本では現在のところ、外科領域では麻酔科と脳神経外科のみがそれに近い認定医制度を設けているだけである。以下、現在分科している外科各科とその担当領域を述べる。[工藤達之]
一般外科
腹部外科や外傷をはじめ、ひょうそなど四肢の化膿(かのう)性疾患、筋炎、肛門(こうもん)周囲の炎症や膿瘍(のうよう)などのいわゆる感染症のほか、頸部(けいぶ)リンパ腺炎や甲状腺腫などの頸部疾患、乳房や肛門の疾患などを対象としている。このうち、腹部外科には鼠径(そけい)ヘルニア、虫垂炎、腹膜炎、胆石症、胆道炎、胃潰瘍(かいよう)、十二指腸潰瘍などのほか、食道・胃・大腸および直腸の癌、脾臓(ひぞう)や膵臓(すいぞう)の疾患なども含まれ、消化器外科とよばれることもある。また外傷学は前述のように外科学の発端となった分野であるが、大きい戦争のとだえた現在でも、災害の増大と激甚化によって重要性が増し、その初期を担当する救急外科の医師の役割は大きい。なお、末梢(まっしょう)血管、大動脈、四肢の動脈や静脈など血管疾患も一般外科に含まれるが、これを専門とする血管外科も分科する傾向にある。そのほか内分泌外科や移植外科を標榜(ひょうぼう)するものもあり、特殊なものに小児外科がある。[工藤達之]
胸部外科
古くは肺外科、ことに日本では肺結核外科に始まった。現在は肺腫瘍、肺膿瘍、重症気管支拡張症などが主で、少数の胸部疾患が含まれ、呼吸器外科ともよばれる。[工藤達之]
心臓外科
心臓とそれにつながる大血管の先天性疾患がおもな対象で、血管外科とともに心臓血管外科あるいは循環器外科を標榜するものもある。[工藤達之]
脳神経外科
脳と脊髄(せきずい)の疾患を対象とし、腫瘍、血管腫、動脈瘤(りゅう)、脳出血、膿瘍、外傷などを取り扱う。この科の進歩には、神経学の進歩と、脳室撮影法や脳血管撮影法の普及、脳波や放射性同位元素を応用する診断法、超音波診断法、CT装置、核磁気共鳴法装置などの発明導入などが大きく貢献している。[工藤達之]

整形外科

骨と四肢の外科で、骨折をはじめ関節疾患や手足などの先天性疾患などを取り扱う。[工藤達之]
形成外科
身体外表の形態異常、醜形、欠損や瘢痕(はんこん)などを対象とし、植皮術などによって形態的、機能的な修復努力をする。[工藤達之]

泌尿器科

日本では外科から離れて独自の発達をしたようにみえるが、腹部外科の一部である。腎・輸尿管・前立腺・膀胱(ぼうこう)の腫瘍炎症、結石などをおもな対象とする。近来、腎機能を失ったものについて、人工腎臓を用いて血液中の老廃物を透析して除去する方法が行われ、腎移植なども行われるようになった。[工藤達之]
婦人科
女性性器を対象とする外科で、産科とともに産婦人科を標榜するものもある。[工藤達之]
耳鼻科・咽喉科
それぞれ対象とする器官を名称としており、まとめて耳鼻咽喉科とすることもある。[工藤達之]
眼科
目とその付属器(眼瞼(がんけん)や眼筋など)の疾患を対象とする外科で、小児眼科を標榜するものもある。
 当然のことながら外科は、他領域の進歩発展に助けられて進歩を続ける。診断法と装置について特筆すべきものをあげると、まず新しいX線診断法の開発、すなわち、いわゆるCT装置とか核磁気共鳴法など、まったく新しい原理に基づく診断装置の実用化などがある。また装置の改良により、ファイバースコープなどは従来の範囲をはるかに超えて胆道の観察までを可能とし、手術の適応範囲の拡大と安全性の確立に役だっている。一方、レーザー・メスによる切断・焼灼(しょうしゃく)の開発などがあり、やはり外科治療の新しい領域を開きつつある。外科の将来はこのように治療対象の拡大と同時に厳しい適応の検討下に、安全性を確保しながら進められるべきものであろう。[工藤達之]
『J・トールワルド著、塩月正雄訳『外科の夜明け』(講談社文庫)』

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世界大百科事典内の外科の言及

【医学】より

…治療法についても,これらの情報をもとに,可能性の幅と深さが飛躍的に増大してきた。とくに外科技術の進歩は,身体内でメスの及ばない部分をなくすまでになっただけでなく,臓器の移植や人工臓器までが可能になっている。薬剤療法についても,病原微生物の発育を強力に阻止する抗生物質がつぎつぎと開発され,また,生理機能を選択的に抑制したり昂進させたりする薬剤も多数開発され,医学は病気の統御に絶大な能力をもつと思わせるようになった。…

【血管外科】より

…血管病変の手術的治療を扱う外科の一分野。1950年代以降,動脈あるいは静脈の疾患に対する手術的治療は長足の進歩をとげた。…

【手術】より

…治療の目的で皮膚あるいは粘膜,その他の組織を切開して,なんらかの操作を加えることを手術という。日本でいう外科にあたる欧米語は,ラテン語のcheirurgia(〈手のわざ〉の意)に由来するので,外科の代表的なものが,手を血でよごして治療する手術であるということになる。かつて手術は,主として体表面の病巣に対して行われたため,外を治療する,すなわち外治という意味での外科を代表して内科medicineに対してきた。…

【内科】より

…以下同じ)は古くは〈病気を治すこと〉あるいは〈病気を治すもの〉を意味していたにちがいない。だから,古代のmedicineでは,薬を飲ませて病気を治すこと(後世の内科的療法)と,けがの手当や瀉血(しやけつ)したり手術したりすること(後世の外科的療法)との間にはなんの差別もなかった。ヒッポクラテスに,内科的著作のほかに,《頭部外傷について》その他の一連の外科医書があることもその一証拠になるであろう。…

※「外科」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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