カラゲニン

化学辞典 第2版 「カラゲニン」の解説

カラゲニン
カラゲニン
carrageenin

カラゲナンともいう.硫酸基を有するガラクタンの一種.北大西洋沿岸に広く分布する紅藻類ChondrusGigartinaEuchema属中に含まれる粘性ガラクタンの混合物.希アルカリによる加熱抽出,熱水抽出後真空蒸発するか,有機溶媒添加によって得られる.KClによって沈殿するものをκ-カラゲニン,しないものをλ-カラゲニンという.硫酸基はκ-体33%,λ-体44%.はκ-体+63°,λ-体+44°.分子量はκ-体28万~29万,λ-体48万~69万.κ-体の主鎖は3,6-アンヒドロ-D-ガラクトピラノース(α1→3)D-ガラクトピラノース-4-硫酸(β1→4)の繰り返し単位になっており,これに少量の6-または2,6-ジ硫酸エステルが(1→4)で結合している.λ-体の主鎖では,β-D-ガラクトピラノース-4-硫酸(1→4)α-D-ガラクトピラノース6硫酸(1→3)の繰り返し単位になっている.水によく溶けて高い粘性を示し,3,6-アンヒドロガラクトースが増加するとゲル強度が大きくなる.製菓,デザート用食品,乳製品,飲料類,肉製品,ソース,ドレッシング類に使用される.[CAS 9000-07-1]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android