カルトロン(英語表記)Calutron

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カルトロン」の意味・わかりやすい解説

カルトロン
Calutron

電磁同位元素分離装置(Electro Magnetic Isotope Separator;EMIS)ともいう。天然ウランには 0.7%しか存在しないウラン 235を,核兵器用に濃縮して取出すための装置。元素分析などに用いる質量分析機と同じ原理を用い,円形の真空容器を強磁場中において,その中にイオン化したウラン原子を通すと,原子の電荷質量数の比によって原子の軌道が分れ,ウラン 238とウラン 235は別々の軌道をとることを利用して分離収集する。マンハッタン計画や初期のウラン 235核弾頭の製造に用いられた。その後はより効率のよい遠心分離法やガス拡散法が用いられるようになった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android