日本大百科全書(ニッポニカ) 「ガルフストリーム」の意味・わかりやすい解説
ガルフストリーム
がるふすとりーむ
Gulf Stream
北アメリカ大陸沖から東に向かう北大西洋の暖流。ハッテラス岬沖で大陸沖を離れてから、グランド・バンクス沖で北大西洋海流に移行するまでの部分をいう。昔はその起源がメキシコ湾にあると考えられていたので、メキシコ湾流、あるいは単に湾流ともいう。広義にはアンティル海流、フロリダ海流をも含めて使われるが、この場合にはガルフストリーム・システムGulf Stream System(湾流系)とよばれることが多い。北大西洋の時計回りの海洋大循環の一部で、北赤道海流が北上してアンティル海流、フロリダ海流となり、ガルフストリームとなる。周南極海流、黒潮とともに世界の大海流の一つで、最高流速4~5ノット、幅20~40海里(37~74キロメートル)、深さ1000~1500メートル、流量の目安は毎秒8000万トン前後である。
[半澤正男・高野健三]