日本大百科全書(ニッポニカ) 「グランド・バンクス」の意味・わかりやすい解説
グランド・バンクス
ぐらんどばんくす
Grand Banks
大西洋のニューファンドランド島沖の大陸棚にある幅560キロメートルの広大な堆(たい)bank。グランド・バンク、サンピエール・バンク、グリーン・バンクからなるので、複数形でよばれる。平均深度は55メートル。ラブラドル海流(寒流)と北大西洋海流(暖流)のぶつかり合う所で、タラ、ヒラメ、カレイ、ニシンなどの好漁場となっており、世界三大漁場の一つである。海霧の多い所としても知られる。
1929年のグランド・バンクス地震では、この海域の大陸斜面、海底扇状地、深海平原に敷設されていた海底電線が上から順に次々と切断されたことから、地震に伴う泥濁流の存在が確認された。その速さは毎秒25メートルにも及び、泥濁流に対する関心を高めた。
[半澤正男・高野健三]