知恵蔵 の解説
キューバとアメリカの国交正常化交渉
キューバの独立は1902年のこと。米西戦争でアメリカが勝利を収め、キューバはスペインの植民地支配から開放された。しかし、介入したアメリカの事実上の保護国となり、米軍の介入やグアンタナモ基地の保有継続などを認めることとなった。59年、真の独立を求めるフィデル・カストロが親米のバチスタ政権を倒し(キューバ革命)、外国人や米企業の資産を接収、国有化していった。これに反発したアメリカは砂糖輸入禁止等で対抗し、2年後の61年、両国は断絶状態となった。以後、カストロ政権はソ連の支援を受け、社会主義による国家運営を進めてきた。しかし91年のソ連崩壊によって経済は低迷。2008年に兄の後を継いだラウル・カストロ議長は現実路線に転じ、市場原理の導入、民間部門の活性化などを図っているが、国民を苦しめている食料・エネルギー・物資の不足は解消できていない。
(大迫秀樹 フリー編集者/2015年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報