改訂新版 世界大百科事典 「民間部門」の意味・わかりやすい解説
民間部門 (みんかんぶもん)
private sector
現代の経済機構は,政府を中心とする公共部門と私的な諸個人や企業を中心とする民間部門からなる混合経済体制である。民間部門が財貨・サービスの生産や購入を行うと同時に,公共部門も公共財と呼ばれるサービスの提供や財貨・サービスの購入を行う。日本の国民所得統計の分類では,民間部門とは,民間法人企業,民間金融機関(銀行,信託,保険,証券会社)および家計(個人企業および対家計民間非営利団体を含む)を指し,それ以外が公的部門とされている。また,帝都高速度交通営団,電源開発株式会社等は政府企業として公共部門に,日本航空株式会社は民間企業に分類されている。
民間部門が経済全体に占める比重は,また国内総支出に占める民間部門(名目)の支出,すなわち国内総支出(名目)-公的支出(=政府最終消費支出+公的総固定資本形成+公的企業の在庫品増加)の割合は,81.3%(1995年)。
執筆者:吉野 直行
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報