ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クインチリアヌス」の意味・わかりやすい解説
クインチリアヌス
Quintilianus, Marcus Fabius
[没]100頃
ローマの修辞学者。ローマで公の給料を受けて雄弁術を教えた最初の人。弟子に小プリニウスがいた。またドミチアヌス帝の曾孫の家庭教師をつとめた。引退後は『弁論術教程』 Institutio Oratoria (12巻,95頃) の執筆に専念。これは教師としての経験に基づいて,幼児から一人前の演説家になるまでの教育を論じたもので,基礎教育,訓練の方法,教師の質,演説の技法,文体と話し方,完成された演説家などを解説している。雄弁術の入門書としてのみならず一般的教育学書としての価値も高く,第 10巻はギリシア・ローマの作家たちを簡潔的確に批評しながら論じたもので,特に名高い。 (→修辞学 )
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報