D-グルコースとD-マンノースとを主要構成成分とする多糖類の総称.ラン科植物,コンニャク,アヤメ,ユリ,ツリガネズイセン塊茎中にも含まれ,水で加圧,加熱抽出した溶液から不溶性銅錯体として分離される.コンニャクマンナンは,β-D-マンノピラノースとβ-D-グルコピラノースとが7:3の比で(β1→4)結合した主鎖に1,3-結合の側鎖がある.末端1個当たりの平均鎖長は10~11.分子量27×104.-43°.細部については明らかでない.裸子植物木質部(3~5%)の多糖は,D-ガラクトース:D-グルコース:D-マンノースの比2:10:30よりなり,D-マンノピラノースとD-グルコピラノースとの(1→4)結合の主鎖に,D-ガラクトースがマンノースと(1→6)結合している.100~400個のヘキソース残基からなる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
…スイセン栽培の盛んな国はイギリス,アイルランド,オランダ,ニュージーランド,オーストラリア,アメリカである。鱗茎にはグルコマンナンやアルカロイドのリコリンlycorineを含有し,猛毒であるが,薬用にされることがある。
[栽培]
排水と日当りのよい所に,骨粉,硫酸カリを元肥に入れ,秋に球根の高さの約2倍の深さに植える。…
…貯蔵多糖の代表例はグリコーゲン,デンプン,イヌリンである。コンニャクの球茎の貯蔵多糖はグルコマンナン(マンナン)と呼ばれ,マンノースとグルコースからなる。この多糖がコンニャクの主成分である。…
…酵母の細胞壁など微生物のマンナンにはα‐1,6結合したものが多い。また,こんにゃくはグルコースとマンノースがβ‐1,4結合したものから成るグルコマンナン(グルコマンノグリカン。グルコースとマンノースの比は1:2または2:3,3:5)を主成分としている。…
※「グルコマンナン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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