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ケターレ Ketterle, Wolfgang

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ケターレ
Ketterle, Wolfgang

[生]1957.10.21. ハイデルベルク
ドイツの物理学者。ハイデルベルク大学,ミュンヘン工科大学を経て,1986年ミュンヘン・ルートウィヒ=マクシミリアン大学マックス・プランク量子光学研究所で博士号を取得。マサチューセッツ工科大学 MIT研究員などを経て 1997年から同教授。1995年レーザー冷却,蒸発冷却などを使って,ナトリウム原子絶対零度(-273.15℃)近くまで冷やし,すべての原子を最低エネルギー状態に落とし込むボース=アインシュタイン凝縮(BE凝縮)の状態をつくることに成功。さらに BE凝縮状態にある数十万個の原子の固まりをパルス状に発射する「原子レーザー」ともいえる現象をつくりだし,BE凝縮状態にある原子の固まりは位相のそろった波の性質をもっていることを示した。アルカリ気体原子の BE凝縮の実現とその性質の基礎的研究が評価され,エリック・A.コーネル,カール・E.ワイマンとともに 2001年のノーベル物理学賞を受賞。そのほか,2000年にベンジャミンフランクリンメダルを受賞。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ケターレ
けたーれ
Wolfgang Ketterle
(1957― )

ドイツの物理学者。ハイデルベルク生まれ。1976年にハイデルベルク大学に入学し、ミュンヘンの工科大学に移籍。その後はマックス・プランク研究所で研究を続ける。1986年にミュンヘン・ルートヴィヒ・マクシミリアン大学とマックス・プランク研究所で博士号を取得。ハイデルベルク大学での研究生活を経て、1990年に渡米しマサチューセッツ工科大学(MIT)へ。このころ、ナトリウム原子を使って「ボース‐アインシュタイン凝縮」の状態をつくりだすことに成功した。その後MIT教授となる。
 原子の集まりを絶対零度(-273.15℃)近い極低温まで冷やすと、それまではばらばらに動いていた原子が、まるでひとつの原子になったかのように、まとまって動く。このボース‐アインシュタイン凝縮の状態になった複数の原子集団の間で、その相互作用などを観察することにより、凝縮のメカニズムの解明にも貢献した。この業績により、これとは別にルビジウム原子を使ってボース‐アインシュタイン凝縮を実現したE・コーネル、C・ワイマンとともに、2001年のノーベル物理学賞を受賞した。[馬場錬成]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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