改訂新版 世界大百科事典 「ケラインコ」の意味・わかりやすい解説
ケラインコ
pygmy parrot
オウム目オウム科ケラインコ亜科Micropsittinaeに属するインコ類の総称。オウム科の中でもっとも体が小さく,全長8~10cmしかない。尾羽は短い角尾で,羽軸がキツツキ類のようにかたく,樹幹や大枝をよじのぼる習性がある。ケラインコの名も習性がキツツキに似ていることによる。熱帯降雨林に小さな群れをつくってすみ,樹皮の間から昆虫類をとったり,樹上のシロアリ類の巣から成虫や幼虫をくちばしでほじり出して食べる。また,果実や菌類も好む。繁殖期には,シロアリ類の蟻塚(ありづか)に巣穴を掘って営巣する。ニューギニアとその周辺の島に6種が分布し,ニューギニアにはアカガシラケラインコMicropsitta bruijnii,キガシラケラインコ(ムネアカケラインコ)M.keiensis,キバラケラインコM.geelvinkianaの3種,ビスマーク諸島にアオボウシケラインコM.pusio,アドミラルティ諸島にシマハラケラインコM.meeki,ソロモン諸島にはソロモンケラインコM.finschiiが生息する。
執筆者:齋藤 隆史
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報