ケーニヒ(Friedrich König)(読み)けーにひ(英語表記)Friedrich König

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ケーニヒ(Friedrich König)
けーにひ
Friedrich König
(1774―1833)

ドイツ印刷技術者。動力印刷機の製作を志し、出資者を求めて1806年イギリスへ渡り、ロンドンの印刷業者のために動力を用いたねじ式印刷機を製作した(1810)。ついで、ニコルソン発明ヒントを得て、印刷技術史上に画期的な最初の円圧型印刷機を製作し(1811)、さらに当時世界最大の新聞『ロンドン・タイムズ』のために複動型の円圧印刷機を1814年に完成した。同年11月29日付け『タイムズ』紙は、この新聞が蒸気力で運転される印刷機によって毎時1100枚の速度で印刷される最初のものであると報道した。その後帰国し、同郷の親友バウアーAndreas Bauer(1783―1860)とともにウュルツブルクに印刷機製作工場を設け(1817)、高速輪転機を製作した。この会社はケーニヒ没後バウアーが、バウアーの没後はケーニヒの子が経営し、高い技術水準を維持した。

山崎俊雄

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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