コイトイ(読み)こいとい

日本歴史地名大系 「コイトイ」の解説

コイトイ
こいとい

漢字表記地名「小糸魚」のもとになったアイヌ語に由来する地名。コタン名のほか河川名としても記録されている。当地一帯は近代に入り小糸魚こいとい村に包含された。古くは「こゑつい」(津軽一統志)、「こえつい」(狄蜂起集書)と記されるが、その後「コイトイ」が多くなり(木村「蝦夷日記」、「高島日記」「東行漫筆」「廻浦日記」など)、ほかに「こゐとゐ」(東蝦夷地場所大概書)、「コイトヰ」(東海参譚)、「コヱトヱ」(観国録)などもある。漢字表記には「小糸井」(西蝦夷地日記)、「古夷土以」(児山「蝦夷日記」)がみられる。


コイトイ
こいとい

アイヌ語に由来する地名。コタン名のほか河川名・山名・湖沼名としても記録されている。当地一帯は近代に入り庶路しよろ村に包含された。仮名表記は「コイトイ」(谷「蝦夷紀行」、玉虫「入北記」、「廻浦日記」)のほか「コヱトイ」(協和私役・観国録・行程記)もある。当地を流れるコイトイ川は川幅八間で(廻浦日記)、小憩所が置かれていた(「協和私役」安政三年八月二四日条など)近傍には沼があり、谷「蝦夷紀行」に「コイトイの沼といふ。沼の水、コイトイの山より出。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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