コンガ山(読み)こんがさん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「コンガ山」の意味・わかりやすい解説

コンガ山
こんがさん / 貢嘎山

中国、四川(しせん/スーチョワン)省西部にある山。チベット語ではミニヤ・コンガ山(ミニヤ地方の雪の山の意)とよぶ。横断山脈の最東部、岷江(びんこう/ミンチヤン)支流大渡河(だいとが/タートゥーホー)と雅礱江(がろうこう)支流の鮮水河の間を南北に連なる大雪(だいせつ/ターシュエ)山脈の主峰である。標高7556メートル。周りに6000メートル以上の山20余座が集まる山群の中でひときわ高くそびえるピラミッド状の山頂は、100キロメートルの遠方から望見できる。全長16キロメートルのハイロコウ氷河、14キロメートルのユアンズコウ氷河など5本の氷河が頂上から放射状に流れ下り、氷河の発達が顕著である。大渡河の谷から頂上までの比高は6000メートル余という険しい地勢である。2000メートル以下の常緑広葉樹林、2800メートル以下のツガカンバカシなどの混合林、3500メートル以下のモミトウヒなどの針葉樹林など森林が茂っている。川蔵(せんぞう)公路に沿うダルドの南40キロメートルにある。1932年アメリカ登山隊が初登頂、57年に中国隊が第2登に成功した。81年と82年には日本隊が頂上を目ざしたが、二度とも遭難死者を出した。

[酒井敏明]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android