改訂新版 世界大百科事典 「ゴンザーガ家」の意味・わかりやすい解説
ゴンザーガ家 (ゴンザーガけ)
1328-1627年イタリアのマントバを支配した名家。ゴンザーガGonzaga家の出自については騎士と下層民の両説がある。13世紀末にはマントバ,ブレシア,フェラーラ,レッジョ,クレモナ,ベローナ,イブレアに土地を所有する勢力家となる。身分的にも1328年ルイジ1世がボナコルシ家を追放してマントバのカピターノに就任して以後,市の主要官職を同家が独占する。クレモナ,レッジョ,レニャーノ等に支配を拡大し,皇帝から1433年辺境伯位,1530年公爵位を授けられ,翌年婚姻関係からモンフェラート辺境伯位も加わる。16世紀中ごろ,経済的・政治的に頂点に達する。同家は傭兵隊長として軍事的に重要な役割を担い,聖界にも進出し,またヨーロッパの主要な君侯家族と姻戚関係を結んだ。マントバの贅(ぜい)を尽くした宮廷は学問と芸術の中心となる。1627年のビンチェンツォ2世の死後直系は絶え,公爵位はオーストリアに移って衰退した。
執筆者:佐藤 眞典
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報